読書の小径 その51  2001/2/16(金)16:49    「ペイ・フォワード」

 ここ数年、正月に家族で映画を観に行くことにしている。

今年は、「サーティン・デーズ」だった。キューバ危機を回避した13日間の物語。

そして、映画館に、次回放映予定の「ペイ・フォワード(可能の王国)」のチラシが置いてあった。

「シックス・センス」に出演していたハーレイ・ジョエル・オスメントの写真が写っていた。

チラシに気になる文字が並んでいた。

「ここからはじまる、奇跡の物語、ペイ・フォワード[可能の王国]−ひとりの少年のアイディアが、

世界を変えるかもしれない−」


 先週、久しぶりに近くの書店へ行ったら、「ペイ・フォワード [可能の王国]」という本(角川書店刊、

キャサリン・ライアン・ハイド著)が平積みしてあった。さっそく買い求め、読み始めた。


 もともと、ペイ・バックという単語は、「返報する、報復する」ということばで、過去の行為に対して

何かをするという意味があるそうだ。しかし、ペイ・イット・フォワードというのは、造語で、将来に

向かって何か意義のある行為をすることとして使われているようだ。

 社会科の教師が、「世界を変える方法を考え、それを実行しよう」という課題を生徒に与えた。

主人公のトレヴァー・マッキニーは、ペイ・イット・フォワード計画を考え、実行する。

「ぼくが三人の人に何かいいことをする。それで、その三人がお返しをしたいって言ったら、

ぼくは、その分を他の人に返してほしいって頼むんだ。ペイ・イット・フォワードを実行して

ほしいって頼むんだよ。それぞれが別の三人のために何かをするんだ。それで、九人の人が助かる。

その九人が、それぞれ三人の人を助ければ二十七人が助かる」(P70)。

 この愛の連鎖運動こそが、人間の価値観を変え、世界を救う唯一の方法かも知れない。


「とてつもない映画が、ここに誕生した。・・・・」という口上もうなずけるから、不思議だ。

近いうちに、細君とこの映画を観に行く予定である。

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