読書の小径 その48  「生死同源」

 くよくよすると胃が悪くなる。恐れると腎臓が悪くなる。悲しむと肺を傷める。そして、喜びすぎたり笑いすぎたりすると、心臓を傷める。怒り過ぎると肝臓を傷める。 (篠原佳年著 「生死同源」幻冬舎刊 p126)

 前述のくだりを読まれて、あ、俺の事かな、とこころあたりのある方は、くれぐれもご注意あれ。

知って備えることが、健康の第一歩というものです。

 著者は、患者さんに、「病気が起こった過去のイメージは、今自分で塗り替えることができる」し、そうすることで、

病気から解放されると説明し、「気づきの医学」を実践してもらおうとするが、なかなか理解してもらえないようである。

言われてみれば、奇妙な言い方である。

しかし、一方で、そうかもしれないとも思えるのは不思議である。

以前、「病気や不幸は神の恩寵だ」ということをある本の中で読んだことがある。

それは、人生を豊にするための気づきをもたらす、天からのプレゼントのようなものなのかも知れない。

しっかりと受け止めた時に、また一つ階段を上に登れたことになるのではないだろうか。

また、著者は、「時間」という概念についても、興味ある考え方を披露している。

潜在意識には時間がない。そして宇宙にも時間がない。私たちの意識というものはおそらく、時間のない宇宙と相似なのでしょう。ある大脳生理学者は、「人間の脳が左右ふたつあるのは、宇宙を認識するため」と言っています。ふたつあるからこそ、無限の宇宙の奥行きを感じることができる。(p92)

意識が「時間」を作っていると言うのである。面白い考え方である。

「健康になりたい」方、「人生とは何か」、と疑問を持っている方には是非とも一読されることをお薦めします。

人生、愉しく、意義深く過ごしたいものです。

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