USHIMOMO 推薦図書の会議室 96/01/01 02:05
00079/00079 KGH10661 大橋真人  読書の小径 その19  「四次元経営」


 みなさんの中に、ネミック・ラムダという会社を知っている方はいらっしゃるでしょうか?私は、鈴木三雄先生の 「情報戦略塾」のテープや先生の著書「四次元経営」(ダイヤモンド社刊)を聴いたり、読んだりして鍵山秀三郎先生の株式会社ローヤルやネミック・ラムダという会社を知ることとなりました。
 この会社は、1991年2月に、店頭市場で株式を公開し、ユニークな経営ぶりが注目されています。1993年1月に、後任の社長に中国系マレーシア人のピーター・ヒー氏を指名して、潔く社長職を譲ったのが斑目(まだらめ)現 会長です。前著P184に、斑目会長の経営哲学の紹介がありますので引用させていただきます。

 斑目会長の経営哲学は、「変化に対応するのに、遊びがなければできるはずがない」である。また、「夢と自由と創造」を社是とし、「実現して人に感動を与える」ことを実践している。斑目会長は企業の成長の要として人間中心の経営を推しすすめ、「人間の主体性が生むエネルギーを大切にしよう」として、特に人材育成に力を入れている。なかでも社員に対する研修はユニークである。新入社員に托鉢研修を課しているのである。修行僧のかっこうで人家を回るこの研修は、相手に対する感謝、思いやりの気持ちを育むことを狙いとしているといいます。

 斑目会長は他面、地域に密着した文化活動にも熱心で、地元新潟県長岡市の偉人「小林虎三郎」の愛とロマンの生きざまを描いた山本有三著「米百俵」の映画化を企画・製作しています。この「米百俵」を観た後で感じたことは、阪神大震災の時の義援金の使われ方への疑問でした。越後長岡藩は戊辰戦争で敗れ、人々が飢えに苦しんでいた時、友藩からの救援米百俵が届きました。
 その時、教育こそ人間形成の要諦という理想を掲げ、敢えて換金して学校設立に使うことになりました。明治3年のことです。この学校から、長岡を復興する人々や、多くの偉人を輩出することになりました。小林虎三郎は不平・不満分子に妻を殺され、自分もあわやという時に、「常在戦場」と言う言葉を示し説得する場面は圧巻です。それに比較して・・・・。

一度、みなさんも「米百俵」を観たり、読んだりしていただければ、幸いです。                     

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