USHIMOMO 推薦図書の会議室 95/09/24 14:31

00037/00037 KGH10661 大橋真人  読書の小径 その3   「運命を拓く」




 最近、「中村天風(てんぷう)」に関する書物がたくさん刊行されています。
  私は、昭和52年3月に大学を卒業し、久保田鉄工株式会社(今の株式会社クボタ)に 就職しました。(その後、父の仕事を継ぐため退職し、現在登記・測量大橋事務所を自営しています)その翌年に、大阪府泉南郡岬町にある淡輪研修所での初級レクリエーションリーダー講習会に参加しました。プログラムの中に「上手な話し方」という講義がありました。今、手元に当時の記録があるのでそれを見ているのですが、とっても素晴らしい話でした。18年たった今でも、その内容を覚えている程です。
 大阪芸術大学の泉田教授という方が講師でした。講義の中で、「ことばは暗示だから良い暗示をかけることばを日常使うことが大切です。」という主旨のことを話された時の例に、「中村天風」の場合をあげられました。
 日露戦争において、軍事探偵として活躍。九死に一生を得て帰還した探偵は113名中9名であったといいます。そんな三郎でも肺結核を発病し、死に直面しました。北里博士の治療を受けても好転せず、「座して死を待つよりも」と救いの道を求め、アメリカへ渡り、コロンビア大学で医学を学びました。その後、イギリス、フランス、ドイツに赴き、著名な人に教えを乞うも、求める答はついに得られなかったといいます。
 どうせ死ぬなら故郷でと帰郷を決心してカイロまで来た時に、運命をかえる師とめぐり逢うこととなりました。
その師こそ、ヨガの大聖者カリアッパ師だったのです。
「おまえは、このままでは死ぬ。私について来るか?」と言われ、「はい」と答え、ヒマラヤ山麓の村に入りました。毎日師から「 How are you?」と聞かれ「I'm not fine ,thank you」と答えたそうです。
カリアッパ師からある時、「おまえは、気まで病んでいる」と指摘され、目から鱗がとれたと言います。それからは、「Quite well,thank you.」と答えたと言います。不思議なことに、それから病が回復に向かったと言います。平成元年、新聞の発刊の案内に、「中村天風」を見つけ、買い求めたのが日本経営合理化協会出版局刊の「成功の実現」でした。                                                                最近では、「運命を拓く」(講談社)、「ヨーガに生きる」おおいみつる著(春秋社)、「中村天風先生『一言』時に一生を救う」佐々木将人著(大和出版)を読み感銘しました。
500年に一人出るか出ないかの哲人「中村天風」を味わうことができることを日本人として、誇りに思っています。皆さんも、一度手にされてはいかがでしょうか?

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